備忘録 - MBA at University of Bath

2019年、念願のMBA留学を開始した。この大きな環境変化の中で感じた事を書き留めておく。

初日

 大学に到着し、入居先の寮で簡単に荷物を整理したところで、キャンパス内を歩き回ってみた。キャンパスはさほど広くなく、感覚的には10分ほど歩けば端から端まで行けるような印象。全生徒の30%程がNon-UKらしいが、感覚的にはもっと多くのアジア人がいる印象を受ける。似たような顔(東アジア人)のほとんどは中国人で、韓国人と日本人はかなり少ないと思われる。

 運動設備やプログラムも充実しているようで、実際すれ違う人達を観察していると、筋肉質な人やスポーティな恰好をしている人が多いような印象を受ける為、スポーツの教育にも力を入れている事が感じ取れた。

 感覚的にキャンパス全体の面積の30%ほどを寮が占め、遠方からの学生の引き入れに力を入れている様子がここからも理解できる。売店には生鮮食品や日用品など、生活に必要となる最低限の物が置いてあり(もちろん完全ではないが)、一旦身の回りを整えたら、特段キャンパス内から出なくても生活には困らないと思われる。

 キャンパスの中央に図書館があり、ここが24時間365日空いている為、勉強する為の環境として非常に恵まれていると感じる事に加え、もし深夜に何らかのトラブルに見舞われたとしても、相談できる職員が必ず居るという安心感が生まれる。

2019年8月5日 - 出国の時

 関西国際空港に到着した後、チェックインを済ませ、出国前の最後の家族との時間。何も知らない1歳の娘はいつも通り妻の膝の上で、妻が準備しておいた大量のシールをあちこちに張り付けたり、天井に浮かぶ展示物を興味深そうに眺めたり、突然ぐずりだしたり。搭乗開始の1時間前位で手荷物検査場へ移動。予想通り感極まって涙が堪えられなかった。泣きながら手荷物検査をしたのは初めての体験で、少し恥ずかしかった。スキャンをくぐり、荷物を回収した後に振り返ると、入口に妻と娘。またも泣きながら大きく手を振りながら、先に進み、見えなくなった。未だかつてない環境の変化を目前にし、機内で離陸を待つ間、友人や同僚、家族の事を考えていた。

 友人の事。俺の人格形成に強く影響を与え、常に戒めを与えてくれる存在。常に俺に危機感を与え、向上心を持たせ、努力を続ける為の原動力の一つ。いつでも一歩先を行くみんなに負けないよう、恥ずかしい所をみせないよう、頑張りたい。

 上司の事。人手が足りずに多忙を極める中、留学希望を出した時に快諾してくれた。人間としてもエンジニアとしても遠く及ばないその偉大さに、違うアプローチで成長したいとお願いをした、その時の俺の言葉に恥じぬよう、成長したい。

 同僚の事。わざわざ壮行会を開いてくれ、応援してくれる同僚の人たち。今の会社が、みんなにとってもっと働きやすくなるような変化をもたらせる人間となって帰ってきたい。

 家族の事。妻と娘を置いて単身留学することを報告したとき、「何を考えてるんだ?!」と怒られる事も覚悟していたが、「凄いね、頑張って」と言って励ましてくれた。一人で子育てをしないといけない妻の為に、色々とサポートをしてくれると言ってくれ、応援してくれる。短い目では苦労をかけるかもしれないが、長い目で恩返しをしていきたい。

 最後に、妻の事。実家も遠く、一人で子育てする不安も大きいのに、1度も単身で留学することを悪く言う事がなかった。娘をお腹に宿していた頃、MBAにチャレンジしたいと言った時、即答でOKをしてくれた。生まれたての子守りが大変だった頃、受験の為のスコアが伸びず、休日に籠って勉強させて欲しいとお願いした時も許してくれた。合格の見通しが立たず、友人にも相談ができない時に弱音を聞いてくれ、励ましてくれた。ちょっとした意見の相違などで時には喧嘩する事もあったけど、俺が強い思いを持っている時は、俺を優先してくれる。本当にありがとう。二人がより幸せな人生を送る事に、少しでも俺が貢献できるよう、成長して帰ってきます。